あなた自身からマインドを引き離して、そのマインドを観察してみて下さい。あなたは何百ページもの本を読むことができますし、何百もの人と話すことができます。それでも、光明は手に入らないでしょう。それでは、マインドがあなたに与えてきたものを思いながら、あなたが現にもっとも必要としていることについて考えてみて下さい。きっと、マインドがあなたの必要性を満たしてくれていないことに気づくでしょう。あなたのマインドはあなたを失望させてきたのですから、どうしてそこに集中するべきだというのでしょう。
もしあなたがマインドで冥想すれば、おそらく五分くらいは冥想できるでしょう。そしてその五分の中で、一分間はとても力強い冥想をするかもしれません。はじめは喜びと満足を得ますが、その後は荒涼とした砂漠を感じるかもしれません。もしあなたが心で冥想すれば、やがて満足を手にしはじめる日がくるでしょう。心で冥想するとは、魂のあるところで冥想することです。たしかに光、魂の意識は、身体全体に染み渡っていますが、魂がほとんどの時間住まう特別な場所があります。それは心の中にあります。人間の肉体としてある、心臓のことを言っているのではありません。心臓はまったく別の器官です。純粋な心、精神的な心のことを言っているのです。精神的な心は、胸の中心、私たちの存在の中心に位置しています。もしあなたが光明を望むなら、心の中にある魂からその光明を得るでしょう。
あなたがマインドを穏やかに静めようとしているとき、あなたは集中をしています。あなたのマインドをかき乱すすべての思考を追い払うことに成功すると、遅かれ早かれ、燃え立つ太陽が雲の覆いを吹き払うように、あなたの内なる自己が自動的に表に出てきて、まさにあなたの目の前に立ち現れます。ちょうど今は、内なる太陽が、雲によって、思考、考え、疑い、恐れなどによって覆い隠されています。マインドのことを、猿、あるいは手に負えない子どものように思ってみて下さい。それがあなたのもとに来る度、それを追い払うか、慎重にあなたの意識的な気づきを何か他のことに置くようにして下さい。もしもあなたの気を散らすままに許しておくと、それは力を得て、あなたを苦しめ続けます。冥想のあいだ、マインドはあなたに反抗し邪魔をするかもしれません。しかし、あなたはマインドよりも優れた何かを持っていると感じる必要があります。それがあなたの心です。ただマインドと、マインドが所有するあらゆるものを、心の中に放り投げて下さい。
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絵やろうそくや炎といった、物質の対象に集中するのと同じように、心に集中することができます。あなたの精神的な心を物質的に見ることはできませんが、あなたのすべての注目を、精神的な心に集めることはできます。そうすると徐々に、あなたの集中の力は心に入り、あなたを完全にマインドの領域から連れ出してくれます。
小さい糸くずを鼻の先から垂らしておいても、それがまったく動かないように、できるだけゆっくりと、そして静かに息を吸うようにして下さい。そうすれば、冥想が深くなっていくことに気づき、マインドはとても穏やかで静かになるでしょう。
それから、とても広大で穏やかな、静かなことを想像してみて下さい。冥想を始めるときに、あなたの中には広大な海があり、まったくの静寂である海底へ飛び込んでいると感じてみて下さい。もしこの広大な海と、この静寂の流れに、あなた自身を重ねることができるなら、とてもたやすく冥想に入れるようになります。
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目を半眼にして、広大な空を描いてみて下さい。はじめはあなたの前に空が広がっていると感じてみて下さい。それから、あなたは空と同じくらい広大であると、広大な空そのものであると感じてみます。数分たったら目を閉じて、あなたの心の中に空を見、感じます。あなたは宇宙的な心であると感じます。そして、あなたの中に冥想している空があり、あなた自身とひとつになっている空があると感じます。宇宙的な心は、空よりもはるかに広大です。そのため、その空が住む場所を、あなた自身の中にたやすく見つけることができます。